役員社宅のメリット・デメリット「岐阜の法人が不動産を購入するベストな方法とは?」

退職金として社宅を現物支給すること

皆さん、こんにちは。岐阜県可児市「陽のあたる部屋」藤井です。

このブログでは、不動産に関する最新の情報と実用的なアドバイスをお届けします。不動産に対する疑問や不安を解消するためのヒントを見つけてくださいね。

この記事のポイント

・社長の自宅を不動産投資先とする(役員住宅として)
・役員住宅を社長の自宅として貸し出す
・役員住宅を現物支給の退職金として活用する

不動産投資をしたいけど、良い物件ないかな?

岐阜県で中小企業を経営する社長さんから不動産投資に関する質問を頂くことがあります。私が相談を受けるのは従業員が1人~30人くらいの会社を岐阜県内で経営する方です。そういった方の場合、個人で不動産投資をするより、法人で不動産投資をした方が良い結果になることが多いです。

今回は、法人が不動産を購入する場合、長期的に見て有利な方法について検討します。

結論

長期的に見て最も有利な方法は以下の要素を組み合わせたものだと考えられます。

  • 社長の自宅を不動産投資先とする(役員住宅として)
  • 役員住宅を社長の自宅として貸し出す
  • 役員住宅を現物支給の退職金として活用する

この方法により、節税効果を最大限に活用しつつ、将来的な柔軟性も確保できます。ただし、具体的な状況によって最適なスキームは変わるため、現在お世話になっている会計士さんや税理士さんに相談しながら状況に応じた最適なプランを立てることが重要です。

それでは次から詳しく見ていきましょう。

岐阜の法人による自宅購入の基本

岐阜の法人が不動産投資の第一歩を考える時、社長の自宅を購入して、それを役員住宅として社長に貸与する方法が一般的です。この方法には以下のようなメリットがあります。

節税効果

  • 購入時の諸経費(印紙代、不動産取得税、司法書士手数料など)を全額経費化
  • 所有期間中の費用(固定資産税、火災保険料、修繕費など)を経費計上
  • 建物の減価償却費を経費として計上
  • 借入金の利息を経費として計上

資産形成

購入した社宅は会社の資産となります。適切に管理・資金投資することでその資産価値を高めることもできます。最終的には、退職金として現物支給することで最大限の節税となる可能性があります。

社長の自宅を不動産投資先として購入(役員住宅)

岐阜の会社社長が不動産投資を始める第一歩として、法人で自宅を購入するのがおすすめです。法人名義で購入した不動産を、社長に貸し出す流れになります。これを一般的に役員住宅と呼びます。

ご自分が住むので空室リスクがありませんし、家賃として払うお金は会社の利益になるから一石二鳥。さらに、誰が住むか分からない賃貸住宅購入より、社長自身が住む社宅購入の方が金融機関からも不動産資金を借入れしやすくなる傾向があります。

法人設立前にご自宅を購入された方は、住宅ローン控除が終わってから、ご自宅を法人で買い取りましょう。住宅ローン控除は大きな減税になる制度です。その制度を使い切ってからご自宅を法人で買い取ることが良いと思います。

役員住宅を購入するデメリットと対策

一番のデメリットは団体信用生命保険に入れないことです。団体信用保険は住宅ローンを組む時にだけ入れる効率の良い生命保険です。もしも、住宅ローンを組んだ方が亡くなった場合、借り入れ分の返済が不要になります。

団体信用生命保険に加入できないデメリットの対策としては、法人保険に加入することです。解約返戻金が50%以下の保険商品ですと100%損金にできるので、団体信用生命保険の代わりになるギリギリのラインで加入しましょう。

2019年以前は法人保険の支払いを全額損金として計上することで大きな節税となっていましたが、法改正が行われた現在は節税の意味は少ないです。保険期間の途中で法人から個人へ名義変更する方法も現在はできません

▼次のデメリットは、住宅ローンと比べると金利が高くなる・住宅ローン控除が利用できないことです。

個人住宅ローン(変動金利)法人不動産投資ローン(変動金利)
平均金利0.45%3.65%
▲金利の比較(2024年11月時点)

個人と法人で比べると、法人の不動産ローンが約8倍も高いです。ただし、法人のローン金利分は会社経費に計上できますし、建物の減価償却費も経費に計上できます。金利が高くなるデメリットの対策は、会計士さんや税理士さんに試算してもらうことで解決します。しっかりと利益が出ている法人でしたら、法人で購入する方が良い可能性が高く、利益が出せていない場合は個人の住宅ローンを使って個人で住宅を買う方が良い場合があります。その分岐点を会計士さんに試算してもらいましょう。

▼最後のデメリットは、個人が居住用財産を売却する際に適用できる3,000万円特別控除が法人所有の場合は利用できないことです。また、個人所有の居住用財産を売却する際に適用される軽減税率も法人所有の場合は利用できません。個人の場合、所有期間が10年超の物件売却時に適用される軽減税率によって税負担が軽減されますが、法人所有ではこの恩恵を受けられません。

これらのデメリットの対策としては、購入しようとする不動産に長く住む決意を固めることです。さらに、社長への退職金を不動産で現物支給することで退職金の損金算入と相殺されるため、実質的に最後のデメリットは除外しても良いでしょう。

役員住宅を社長の自宅として貸し出すメリット

岐阜の会社社長へ役員住宅を貸し出すメリットとしては、空室リスクが無いことが挙げられます。役員住宅で安定的に家賃収入も得られると同時に以下のような節税メリットもあります。

購入時の諸経費を全額経費化

契約書等への印紙代、不動産取得税、不動産仲介手数料、司法書士さんへの手数料などを全額経費として計上することができます。不動産購入時の諸経費は購入代金の5~10%が一般的なので、その大きな金額を経費計上できるのは大きなメリットです。もちろん、個人で自宅を購入した場合は計上できません。

所有期間中の費用を経費計上

役員住宅を所有期間中の固定資産税、火災保険料、修繕費などを経費に計上できます。例えば役員住宅に住んで10年も経てば、水周りの不具合や外壁塗装などが発生します。また、お子さんが成長すれば間取りなどのリフォームを考える時が来るかもしれません。その費用も経費に計上できます。

建物の減価償却費を経費として計上

住宅の減価償却期間は新築の場合、木造で22年、鉄骨造で34年、RC造で47年と決められています。

中古住宅の場合の計算式

●法定耐用年数をすべて経過した中古資産
法定耐用年数 × 20%

●法定耐用年数を一部経過した中古資産
法定耐用年数 – 経過年数+経過年数 × 20%

No.5404 中古資産の耐用年数|国税庁

借入金の利息を経費として計上

法人が不動産購入で組んだローンのうち、金利部分は経費として計上できます。

注意点は適切な家賃設定

役員住宅の扱いとして、社長が法人に支払う家賃を適切に設定することが重要です。家賃は以下の条件を満たす必要があります。

次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります

イ. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12% ※法定耐用年数が30年を超える建物の場合は10%
ロ. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

No.2600 役員に社宅などを貸したとき|国税庁

あまりに低い家賃を設定すると、給与として支給しているとみなされ課税されるリスクがあるので注意しましょう。

役員住宅を現物支給の退職金として活用する

代表が退職する際に、社宅を退職金の一部として現物支給することも検討できます。この場合、時価で売却したものとして計算し、その時価相当額が退職金となります。

退職金として社宅を現物支給することには、以下のような税制上のメリットと注意点があります。

メリット

▼会社側の節税効果
社宅の簿価と時価の差額が譲渡益として計上されますが、退職金の損金算入と相殺されるため、実質的な課税対象額を抑えられる可能性があります[1][3]。

▼資金繰りの改善
現金支給ではなく現物支給することで、会社の資金繰りを改善できます[6]。

▼役員の資産形成
退職する役員は、時価相当額の不動産を取得できるため、資産形成に寄与します。

注意点

▼適正な評価額の算定
社宅の時価を適切に算定する必要があります。一般的には不動産鑑定士等に査定を依頼します。

▼税金の負担
退職金受給者は、時価相当額に対する所得税・住民税を負担する必要があります。不動産取得税や登録免許税も個人負担となります。

▼消費税の取り扱い
退職金支給の決議時に現物支給であることや資産の種類・金額を明記しないと、消費税の課税対象となる可能性があります。

岐阜の不動産に関する質問をお待ちしています

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さいごに

今回も最後までありがとうございました。このブログでは不動産の豆知識や、岐阜のお出かけ・グルメ情報を発信していく予定です。

これからも役立つ情報をお届けしていきますので、ぜひ次回もお楽しみに。またのご訪問を心よりお待ちしております!

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