皆さん、こんにちは。岐阜県可児市「陽のあたる部屋」藤井です。
このブログでは、不動産に関する最新の情報と実用的なアドバイスをお届けします。不動産に対する疑問や不安を解消するためのヒントを見つけてくださいね。
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結論:塀に上るだけで犯罪になる可能性がある
今回は、最高裁判所の判例を基に、敷地の境界塀に上るだけで建造物侵入罪に問われた件について解説します。境界塀に関しては、犯罪に問われる可能性だけではなく、倒壊の危険性などもありますので、私の経験からコンクリート塀などの注意点についても併せて書いていきますね。
「建造物侵入罪」最高裁判例の詳細
敷地の境界塀に上るだけで建造物侵入罪に問われた判例は、平成21年7月13日に最高裁判所第一小法廷で下された決定です。その事件の概要は次のとおり。
事件の概要
被告人が大阪府八尾警察署の中庭に駐車された捜査車両を確認するため、警察署の塀(高さ約2.4m)の上部に上がったものです。その目的は、交通違反の取り締まりをする車両の車種やナンバーを確認するためでした。
最高裁判所の判断
裁判所は、これらの行為を建造物侵入罪に当たると判断しました。判決文によると、コンクリート塀に上ったことが直ちに建造物侵入罪に当たるとは書いていません。ポイントは次の通りです。
大人の身長を超える塀に上るという事は、明らかに悪意に基づいているという判断です
いわゆる「立入禁止看板」があったということです。この立入禁止看板は裁判においても重要な判断材料になるので、広い土地には掲示が推奨されます
塀の種類について注意点
ここからは塀の種類と、その危険性について話をします。例えば公園で遊んでいてボールが塀を超えて隣の敷地へ入ってしまった、ただ興味本位で塀に上ってしまったなど、子供が塀に上ってしまうこともあります。
昔の田舎ではよく見られた光景ですが、これは犯罪になるという話を超えて、子供の安全を考えた時に非常に危険な行為です。特に次の塀には注意してください。
大谷石の塀
上の写真のような、大谷石の塀には注意してください。コンクリートブロックの塀は、ブロックの一つ一つが鉄筋で繋がれていますが、大谷石の塀はブロックを積んであるだけのことが多いです。
つまり、どこかのブロックに負荷が掛かると、そのブロックだけ崩れる恐れがあります。真ん中にあるブロックは、上に積んであるブロックの重量があるので崩れにくいのですが、一番上にあるブロックは比較的に小さい力でも崩れてしまいます。
古いコンクリートブロック塀
古いコンクリートブロック塀にも注意が必要です。コンクリートブロック塀は一つ一つのブロックが鉄筋で繋がれているので、ブロックが崩れる恐れは少ないですが、その反面で一気に塀が倒れる危険があります。
古いコンクリートブロック塀は一直線にブロックが並んでいるだけに対し、新しいコンクリートブロック塀は倒壊防止のブロックが積んであります。上の図を見ると古いコンクリートブロック塀が倒壊しやすいのが分かりましたでしょうか?
これは本当に危険で、例えば10mの長さがある塀が倒壊すると、それぞれのブロックは鉄筋で繋がれていますから一気に10mの塀がバタンと倒れます。私が知っている土木業者の職人さんもブロック塀付近で作業していて、その倒壊に巻き込まれて亡くなっています。
プロの職人さんでも10m先で作業していたブロック塀が一気に倒れてくると避ける余裕もありません。このブロック塀は想像以上に重量がありますので、下半身を挟まれただけで亡くなる可能性が高いです。人間は骨盤が骨折すると大きな血管が切れて出血が止まらなくなるのです。
古いコンクリートブロック塀の倒壊による事故は全国で数えきれないくらい多く起きていますので、皆さんも気を付けてくださいね。登らないのはもちろんですが、近づくことも控えた方が良いレベルで危険です。
ブロック塀等撤去費補助金
全国でブロック塀が倒壊する事故が多発しているので、数年前から危険なブロック塀を撤去する際に自治体から補助金が出る制度ができました。
例えば私が住んでいる岐阜県可児市のブロック塀等撤去費補助金は次の通りです。
危険なブロック塀を所有している方は、ご自分の自治体で制度を利用して撤去することも検討してみてください。
不動産に関する質問をお待ちしています
さいごに
今回も最後までありがとうございました。このブログでは不動産の豆知識や、岐阜のお出かけ・グルメ情報を発信していく予定です。
これからも役立つ情報をお届けしていきますので、ぜひ次回もお楽しみに。またのご訪問を心よりお待ちしております!
・塀に上るだけでも犯罪に問われる可能性がある
・実際の最高裁の判例のポイント
・危険なブロック塀の特徴