はじめに
この記事で得られること・対象読者さん
この記事はWindows11に移行できない古いPCの活用方法を探している方にピッタリです。パソコン初心者でも、古いPC・ノートPCを「大容量オンラインストレージ」として蘇らせることを目的としています。
何といっても、この記事を書いている私がUbuntu初心者。私が長時間かけて学び、失敗し、やっと低性能PCを高機能な大容量クラウドストレージとして運用成功した方法を共有しますので、皆さんはこの記事を真似するだけでOK!
今回は導入検討編として、皆さんと一緒に古いPCをどのように運用していくのか、方向性を考えていきます。
この記事を読み進めると、こんなメリットが!
Ubuntuとは何か?なぜ選ばれているのか
UbuntuはWindowsやmacよりも軽い動作をする無料OSです。Windows11に移行できない古いPCでも動作するため、多くの方に選ばれるようになってきました。
直感的でシンプルな画面設計や日本語を含む多言語対応により、パソコン初心者でも安心して使い始めることができます。WindowsやmacOSからの移行もスムーズで、インストールやアップデートが簡単、セキュリティも強化されているため、個人利用からビジネス・開発用途まで幅広く選ばれています。
Ubuntuにはデスクトップ型とサーバー型がありますが、私は大容量オンラインストレージに合うサーバー型を選びました。
大容量クラウドストレージで何ができる?
私が導入したのはUbuntuというOSに入れたNextcloudというアプリです。NextcloudはiCloud、Dropbox、Googleドライブといった有名クラウドストレージアプリと同じ機能があります。
Nextcloudで使える主な機能がこちら
カテゴリ | 主な機能 | 具体例・特徴 |
---|---|---|
ファイル管理・共有 |
ファイルのアップロード・ダウンロード・閲覧 ユーザー・グループ間共有 外部ユーザーとのリンク共有 バージョン管理 |
PCやスマホから写真・文書を保存、どこからでもアクセス 共有リンクにパスワードや有効期限を設定可能 ファイルの過去バージョンを復元できる |
同期・アプリ連携 |
PC・モバイル端末とのファイル同期 専用アプリ(Windows/Mac/Linux/Android/iOS) 外部ストレージ連携 |
複数端末で自動同期、外出先でも最新ファイルにアクセス Google DriveやS3等と連携して保存領域を拡張 |
コミュニケーション |
チャット・ビデオ通話(Nextcloud Talk) コメント機能 メール・カレンダー・タスク管理 |
チーム内でリアルタイムにやり取り・予定共有 メールのスレッド要約やAIによる自動返信補助 |
オフィス機能 |
オンライン文書編集(OnlyOffice/Collabora連携) PDF・Officeファイルのブラウザ編集 |
WordやExcelファイルを複数人で同時編集 AIアシスタントによる文書校正や要約 |
写真・メディア管理 |
写真の自動整理・AI顔認識 アルバム作成・共有 写真エディター |
写真を自動でタグ付けし、人物や物体ごとに分類 共有アルバムに外部から写真追加も可能 |
セキュリティ |
エンドツーエンド暗号化 2要素認証・SAML/LDAP連携 アクセス権限・監査ログ |
重要データを暗号化し安全に保管 企業の認証基盤と連携、操作履歴の記録・監査 |
カスタマイズ・拡張 |
プラグイン追加による機能拡張 API連携 ブランディング(ロゴ・配色変更) |
カレンダーやRSSリーダー、ブックマーク管理などを追加 自社仕様の画面デザインに変更可能 |
管理・運用 |
ユーザー・グループ管理 ワークフロー自動化 システムモニター |
権限設定やファイル所有者変更、容量制限 ファイルの自動タグ付けや削除ルール設定、リソース監視 |
高機能なクラウドサーバーが自分だけのものに。ワクワクしますよね
Windows11とUbuntu server 推奨スペック比較
項目 | Ubuntu Server | Windows 11 |
---|---|---|
プロセッサ | 2GHz デュアルコア以上 | Intel 第8世代Core iシリーズまたはAMD Ryzen 2000シリーズ以上 |
メモリ(RAM) | 2GB以上 | 8GB以上推奨(最低4GB) |
ストレージ | 20GB以上 | SSD 128GB以上推奨(最低64GB) |
グラフィックス | 不要 | DirectX 12対応GPU |
Ubuntu serverはWindows11に比べてPCに求められるスペックが低いです。皆さんがお持ちの古いPCは推奨要件を満たしていますでしょうか?
要件を満たしていたら、次へ一緒に読み進みましょう!
オンラインストレージかNASで悩む

NASはネットワークに接続されたストレージ。オンラインストレージと同じようですが、NASは複数のHDDを組み合わせてRAIDという複雑なデータ保存をします。書き込み・読み込み速度が早かったり、バックアップ的な保存ができたりするのが特徴です
私がクラウドストレージを持つにあたって、「NASとどちらが良いのだろうか?」と迷いました。Ubuntuに入れられるNASアプリで有名なのはTrueNasです。
はっきり言ってオンラインのストレージに関して無知の私は、この2つの違いを比較してくださいとAIに頼みました。それが以下の表になります。
比較項目 | Nextcloud | TrueNAS |
---|---|---|
主な用途 | ファイル共有・同期・コラボレーション (Google DriveやDropboxの自社運用版) |
高信頼ストレージ管理・バックアップ・データ保護 (NAS/ストレージサーバー) |
インターフェース | 直感的で使いやすいWeb UI (一般ユーザー向け) |
やや専門的な管理UI (IT管理者・技術者向け) |
コラボレーション機能 | リアルタイム共同編集、チャット、カレンダー、タスク管理、ビデオ会議など豊富 | 基本的にファイル共有のみ(コラボ機能は限定的) |
ストレージ基盤 | ローカル/外部ストレージを柔軟に利用可能 | OpenZFSによる高機能ストレージ(スナップショット、RAID、圧縮、重複排除など) |
データ保護・セキュリティ | 2要素認証、エンドツーエンド暗号化、サーバー側暗号化 | ディスク暗号化、スナップショット、レプリケーション、自己修復機能 |
拡張性・アプリ連携 | 豊富なアプリ・プラグインで機能拡張可能 | アプリ連携は限定的だが、仮想化やコンテナ(SCALE版)で拡張可能 |
スケーラビリティ・パフォーマンス | 中規模までの利用に最適。大規模用途はストレージ基盤に依存 | 大容量・高負荷環境にも対応。数PB規模まで拡張可能 |
バックアップ・リカバリ | バージョン管理・ゴミ箱・外部ストレージ連携 | スナップショット・複製・高速リストア |
運用コスト | サーバー1台で運用可能。消費電力・管理負担は少なめ | ストレージ台数や冗長構成により電力・管理コスト増(企業用途向け) |
対象ユーザー | 個人~中小企業、チーム、教育機関など | 中小~大規模企業、IT管理者、ストレージ重視の組織 |
ライセンス・価格 | オープンソース・無料(商用サポートあり) | オープンソース・無料(エンタープライズ版あり) |
代表的な組み合わせ | 単独運用またはTrueNAS等のNASストレージと連携 | Nextcloudをアプリとして載せてクラウドストレージ基盤に |
Nextcloudは、使用感や対象としているユーザーが自分に合っています。シンプルにデータをクラウド管理できる方が初心者には向いていますからね。NASのRAID構成は複雑だし、実用量以上のHDDを購入しなければいけないし、後でHDDを増設するのが難しそうなイメージ。

私はNextcloudを選びました。皆さんはどちらがお好みでしょうか?
クラウドを自作か課金で悩む
皆さんはデータ保存に課金していますか?
私は仕事上のデータは課金していますが、個人に関しては課金していません。私がクラウドストレージを使う理由は家族の写真や動画を保存することです。そのデータ量は現時点で約6TB。今後もデータ量は加速的に増えていきますからデータ維持費は重要です。
下の表の月額が許容できる方はクラウドサービスに課金する方が良いと思います
Nextcloud (自作) | iCloud | Googleドライブ | Dropbox | |
2TB | 300円(電気代) | 1,500円 | 1,300円 | 1,500円 |
6TB | 300円(電気代) | 4,500円 | – | – |
それ以上 | 300円(電気代) | 9,000円(12TB) | 6,500円(10TB) | – |
本記事タイトルの「月額300円」はサーバーを24時間ずっと運用する電気代
古いPC、皆さんはどうしますか?
ここまで読み進めてくれた方は、古いPCの新たな使い道に興味がある方だと思います。私が導入を検討している「UbuntuでNextcloudを運用する!」という考えはいかがだったでしょうか?
また、市販のNASを購入しようか迷っている方も、自作のオンラインストレージを検討してみる価値は十分にあると思います。
市販のNASと自作オンラインサーバーの価格差もありますが、自作オンラインストレージはゲームサーバーとしても同時に運用できるメリットがありますからね。ゲームをする方は、自作オンラインストレージの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

マイクラサーバーも作れますよ♪
自作オンラインストレージを導入するメリットのまとめ
次回予告
最後まで記事を読んで頂き、ありがとうございました。次回は「初心者にも分かるUbuntuインストール&初期設定【インストール編】」を書いていきます。
ご興味のある方は、ぜひ読んでくださいね。
・古いPCを何かに活用できないかな?
・思い出の動画、保存先をどうしよう?
・iCloudに課金したくない
・NASに興味があるけど高くて買えない