岐阜地裁で裁判を傍聴してみた

岐阜地裁裁判傍聴

岐阜地裁とは?

岐阜県を管轄している地方裁判所で、通称「岐阜地裁」といいます。

所在地:岐阜県岐阜市美江寺町二丁目4-1
駐車場:無料の駐車場が50台分くらいあります。

岐阜地方裁判所の地図

裁判傍聴を初体験した話

以前から気になっていたんですよね。裁判の傍聴。どんなものかを調べるため、ちょっと岐阜地裁まで行ってきました。

裁判所に到着したけれど、どんな手続きが必要なのか分かりません。とりあえず駐車場に車を停めて守衛の方に質問します。

下に岐阜地裁の方とのやり取りを記載するので、裁判傍聴の参考にしてみてくださいね。

「今日は裁判の傍聴できますか?」

守衛の方「できますよ。14:30からと15:00から裁判があります。どちらも判決だからすぐ終わっちゃいますけどね。14:30からが無免許運転で事故、15:00からは窃盗・放火です。」

「傍聴するのに必要な手続きはありますか?」

守衛の方 「無いですよ。時間になったら302号法廷へ入れますから、自由に入って下さい。」

「簡単なんですね。ありがとうございました。」

302号法廷ですって。

ドラマなんかで聞いた事あるワードだ。その302号法廷に手続き不要で出入りも自由らしい。思っていたより気軽。実はちょっと緊張していたんですよね。よし、14:30からの判決を傍聴してみよう。15:00からの窃盗・放火は極悪な感じがするので見るのはやめておきます。

さて、時間になったので302号法廷へ向かう事に。どうやら3階にあるようです。3階にある他の法廷は【301号法廷】。裁判所の名前の付け方はホテルの部屋方式だったんだ…

302号法廷前へやってきましたが中の様子が分かりません。どうやって入るんだろう?

ドアのプレートに「傍聴人入口」とあります。とりあえず軽くノックして入ってみることに。

ガチャ。

緊張しながらドアを開けると、そこはもう法廷です。学校の教室に入る感じ。ドアと部屋の間に小部屋みたいなものがあると勝手に思っていました。

ノックは不要だったな

傍聴席には、すでに6人くらいの方が座っています。座席は30席くらいあるので私も空いている席に座ります。裁判長はまだいません。私から見て左側には検察の方が一人。右側には被告人と弁護士。被告人は2人のガードマンに挟まれています。

ああ、被告人が手錠をしている。手錠をされている人の姿を初めて見ましたが、なんだかドキッとしますね。悪いものを見た気分。何故ニュース映像で手錠にモザイク入れるんだろうと思っていたけれど、これで理由が何となく分かりました。

14:30ピッタリに裁判長が入ってきます。すると、みんな立ち上がります。傍聴席の人も。遅れて私も立ちます。全員一礼。着席。

被告人は手錠を外され、法定の真ん中に立たされる。すると裁判長が判決を読み上げる。なんと、あっさり5分ほどで判決を言い渡したようです

裁判を傍聴して気になった事が2点

①被告人がチャンピオン社製のスウェット姿だった事。そんなにラフで良いんだ。もっとフォーマルな感じだと思っていました。

②裁判長の滑舌が恐ろしく悪く、さらに早口。何を言っているのか聞き取れない。

主文の箇所だけは、ゆっくり話してくれたのでなんとか聞き取れました。どうやら懲役1年6ヶ月、執行猶予4年の判決だったみたいです。

裁判長が「これで閉廷します」というと、全員起立、礼。この「無免許運転で事故」の裁判は10分ほどで終わってしまいました。声を発したのへ裁判長だけ。被告人も弁護士も検察も声を発していませんでした。

異議あり!!

なんて議論がある裁判は、重大事件だけなのでしょうか?結局よく分からないまま、あっという間の裁判傍聴体験でした。

岐阜地裁の正面玄関

▼岐阜地裁の裁判傍聴案内リンク▼
見学・傍聴案内 | 裁判所 (courts.go.jp)

裁判傍聴のまとめ

今後、裁判傍聴デビューする方のために要点をまとめます。

  • どんな裁判があるかは、事前に岐阜地裁へ電話すると教えてもらえる
  • 予約などは不要。出入りも自由
  • 弁護人と検察官の発言する所が見たければ、判決のときは避ける
  • 法廷へ入るときに、ノックは不要
  • 裁判長が入って来ると、全員起立して礼をするので、一人だけ遅れないように
  • カメラや録音機器は持ち込まない

以上、以外と気軽に裁判傍聴ができる事が分かりました。

裁判員制度について

ここからは裁判員制度について復習してみたいと思います。

この制度が始まったときにはニュースや新聞などでよく目にしましたが、最近はあまり話題になりませんね。岐阜地裁へ行ったときに裁判員制度について詳しく書いてあるパンフレットをいただきました。パンフレットを参考にしながら13問のQ&A形式で裁判員制度について復習します。

参考:「よくわかる!裁判員制度Q&A」最高裁判所発行

1.どんな制度なの?

国民の中から6人の裁判員を選び、3人の裁判官と一緒に裁判をします。無罪か有罪か、また刑はどの程度かを決めてもらう制度です。

2.どんな事件を扱うの?

一定の重大犯罪を扱います。具体的には、

  • 殺人
  • 強盗致傷
  • 傷害致死
  • 危険運転致死
  • 現住建造物放火
  • 身代金目的誘拐
  • 保護責任者遺棄致死
  • 覚せい剤取締法違反

などがあります。

3.裁判員の対象者は?

20歳以上で選挙権のある人から選びます。ただし、欠格事由もあります。

禁固刑に処せられた人、国会議員、自衛官、その事件についての被害者や親族など。これらの人は裁判員にはなれません。

4.どのようにして選ぶの?

くじで選びます。

5.選ばれる確率は?

約0.01%、だいたい10,800人に1人の確率です。

6.選ばれた場合どれくらい前に知らせてくれるの?

その裁判が始まる6週間前までに通知が来ます。

7.辞退することはできるの?

基本的にはできません。ただし、辞退できる事由が定められています。

  • 70歳以上の人
  • 学生
  • 妊娠中、出産の日から8週間以内
  • 重い病気やケガ
  • 親族や同居人の養育・介護

8.仕事があるから辞退したいけどできないの?

基本的にはできません。ただし、自身の不在により著しい損害があると認められれば辞退可能です。

9.日当はもらえるの?

日当、交通費、宿泊費は必要に応じて支払われます。日当の日額は1日あたり1万円以内です。

10.何日くらい裁判に参加するの?

5日間前後です。

11.裁判は1日何時間くらいかかるの?

5~6時間程度です。

12.裁判員に選ばれたことを話してもいいの?

公表してはいけませんが、身近な人には話しても構いません。ただし、裁判員でなくなった後は公にしても大丈夫です。

13.裁判では具体的に何をするの?

裁判官と一緒に審理してもらいます。法律の知識は不要で、自分の判断で意見を出して下さい。最終的には多数決で結論を出します。

裁判員制度を思い出せましたか?

とてもザックリと説明しましたので、もっと詳しく知りたい方は裁判員制度ウェブサイトを参考にして下さい。ちなみに、裁判員経験者の95.9%の方が「非常にいい経験」または「いい経験」と回答しているようです(平成26年度のアンケート結果)